先日ネットニュースを眺めていらた韓国でソウル行きのLCCの旅客機が滑走路を移動中、乗客の30代の女が非常ドアを許可なく開けたため脱出用スライドが展開するという事故が起きた。
このため乗客202人を乗せた同機は滑走路で停止し離陸を断念。女は取り押さえられ航空保安法違反の疑いで逮捕された。
警察の調べに対して「閉所恐怖症があり、息苦しくてドアを開けた」と供述している。
なんでこんな記事を書いているかというと先日沖縄に行く飛行機で初めて非常口座席という場所に座ったのである。

旅慣れた方には説明は不要だが事故で不時着水した場合にこの非常口から脱出するのである。
離陸に際してCAさんから非常時の際にはご協力をお願いしますと言われた。

前の座席のポケットに非常口座席に座った客用に指示書が入っていた。改めてそれを読んでみると、
1.乗務員が非常口を開放するまでの間、他のお客様を制止すること。
体張ってパニックになった乗客を制止しろってかい。
2.乗務員の指示に従い機外が安全であることを確認して非常口を操作し開放すること。
私が非常口開けてもいいの?
3.脱出スライドが膨らんだ後、他のお客様を速やかに脱出させること。
先ず最初に脱出したい。
4.脱出スライドまたは脱出口下において後から脱出する他のお客様を援助すること。
5.速やかに機体から離れて遠くへ避難するよう声をかけること。
ほとんどCAさんの仕事じゃないか。
6.その他(必要に応じ、乗務員が具体的に指示させていただきます)
ついウッカリこんなところに座ってしまったが何かあったら大変である。

そう思って非常口のドアを眺めてみる。珍しいので写真を撮ってみた。
こんなちゃちなレバーを引けばドアが開くのである。良いのかこんな簡単な仕掛けで。

飛行機が駐機場から滑走路に向かって進んで行くとき思っていたのは「このレバーを引けば、飛行機を停めることが出来るのだな、飛行機から降りることが出来るのだな、飛行機には乗らなくてよいのだな」という事である。
今ならまだ戻ることが出来る。
飛行機は離陸するまでの緊張感が半端ない。
そんなもの何が怖いのかという、無神経でバカで、パッパラパーのアホンダラにはこの時の恐怖は分かるまい。
この女性もおそらく飛行機の旅は不慣れなのであろう。
閉塞された空間で耐えられずパニックになり非常レバーを引いちゃったんだな。
そう思うとウッカリこんな座席に座ってしまった女性が不憫である。他人ごととは思えない。
この女性のやったことは弁解の余地はないですよ。各方面に迷惑をかけて、沢山の人の予定を狂わせてしまったのですから。でもね、
「この事件に関して最も責任が重いのはこの女性を非常口座席に乗せてしまったLCCである」と思う。
この女性も通常の座席に座っていればこんな事件を犯さずに済んだはずである。数時間の恐怖に耐え今頃は家に帰って「あぁ~あ、無事に帰ってこれた、良かった良かった」とビールでも飲んでいたはずである。
どうか関係者には寛大な処置をお願いしたい。
閉所恐怖症の人間を非常口座席に乗せるな!
「引いちゃうぞ! 非常レバー」