
やって来ました辺戸岬。沖縄滞在中は一度は訪れたい。
沖縄好きの友人知人に辺戸岬を進めるのだがなかなか行ってくれない。
恩納村辺りでホテルに泊まるならぜひ足を延ばしてほしいのだが、何かあるの?岬でしょ。と言われて終わりである。
確かにただの行き止まりだけどね。しかし琉球石灰岩の断崖絶壁に立ってみるとやはりそこには大地のパワーを感じるのである。

私は岬好きなので日本各地の岬に行ってみるのだが、沖縄の岬は一味違う。
南国のせいだろうが印象が明るいのである。海に向かってうおおおーと叫びたくなるような爽快感がある。
何百年何千年前にここにいた人々もこの景色を見ていたのだなと思うと感慨深い。
逆に日本海側の岬は陰鬱な印象である。あの鈍色の海を見ているとなんとなく呼ばれているような気がして後ずさりしてしまう。
福井県の東尋坊はまさにそんな感じだ。
岬といえば去年初めて行った宗谷岬にはガッカリした。
普通の住宅街の中を車で走っていたらいきなり広場が現れてそこが宗谷岬であった。
思い描いていた岬と全然違った。やはり岬は断崖絶壁の上になければ。
感想は「ここ⁉?」である。私の中で「日本三大ガッカリ観光地」に認定した。
岬パワー注入

今日も岬パワーを注入したなーと、ふと対面の山を見てみると何かがある。

カメラの望遠でのぞいてみると鳥の形をした構造物がある。
これはもしや以前ネットの記事で見たことがあるヤンバルクイナ展望台ではないか。こんな所にあったのか。
今まで辺戸岬には何度も来ていたが全く気が付かなかった。
折角なので行ってみることにした。
車で5分位かと思ったが場所が分かりにくいのである。
58号線沿いにあるのかと車を走らせていたら奥集落まで行ってしまった。
さすがに行き過ぎたと気が付いて後戻りした。
辺戸岬の駐車場を出てすぐ、58号線から宇佐浜ビーチに抜ける狭い道を左折して海岸方面に下りなければならない。

見えてきた見えてきた。

小高い丘の上にそいつは居た。

宇佐浜ではなく表記は宇座浜になっているね。

地域の方々のお墓の駐車場に掲示板があった。

裏の細い道をさらに登っていくようだ。

くねくねとした車が離合できないような道を登っていくと車が5~6台とめられる駐車場があった。
おっとヤンバルクイナのお尻が見えている。お尻突き出した様が可愛いね。
想像したよりもデカい。

この足の爪とかリアルすぎて怖い。
張りぼてのセメント像にペンキを塗っただけのちゃちな構造物を想像していたのだが細かいところまで良く仕上げられている。
思った以上にクオリテ―が高い。

空を飛ばず走り回ることで進化した鳥なので足がたくましい。
恐竜のようである。これを見ると恐竜は進化して鳥になったそうだがうなずける。
海を睨むヤンバルクイナ

ぬっとあらわれた様が迫力がある。
もしヤンバルクイナがこの大きさだったら人間なんてその辺をはい回っている虫だろう。簡単についばまれそうだ。
小っちぇえ鳥だとバカにしているがこれだけデカいと人間なんてただの餌でしかない。
捕食者の地位が逆転である。

敷地が狭く木々が邪魔をしているので全体像をうまく写真に収めることが出来ない。
像に入って景色を眺めることが出来るのだが眺望は大したことは無い。

眺めはデッキの方が良いかも。辺戸岬も一望。

思った以上にリアルに作りこまれているのでビビる。
やんばるの森の守護者

やはり引きで見る方がカッコ良いね。
でもなんでこんなもの作ったのだろう。調べてみたのだが今一つ良く分からなかった。
作られたのは1996年との事なのでそこそこ老舗の観光施設なのだが知る人ぞ知るといった扱いである。
1996年といえば「名探偵コナン」のテレビ放送が開始されチャールズ皇太子とダイアナ妃が離婚した年である。そんな年に誕生したヤンバルクイナ展望台。
トリップアドバイザーの口コミなんかを見ても「近くで見たら怖い」「うーん、かもです」「行くまでがめんどくさい」「場所が良く分からない」と評価は散々。
しかし私的にはこういった「ぬー像」が大好きなので今日は大満足。
ちなみに「ぬー像」とはいきなり街中にぬうっと現れ、周りの景色や景観を全く無視した「違
和感」「異物感」をギンギンに醸し出す構造物、建築物のことである。
以前の私のブログでもいろいろ紹介しているのだが、街中にいきなり突拍子もなく現れる巨大建造物が大好きなのである。
10年20年先、あのヤンバルクイナ像がどうなって行くのか。
やがて朽ち果ててやんばるの森に消えていくのか、これからもリポートしたいと思います。