沖縄ル~ル


「沖縄は日本語の通じる外国⁉」

知っておくとビジネスも人間関係もうまく行く!

ルールを理解して快適で楽しい沖縄ライフをぜひ満喫してください!

誰も教えてくれなかった33ルール。

(本書帯書きより)

 


正月の間暇でしたので伊波貢著「沖縄ル~ル」という本を読んでいました。

 

著者は沖縄県出身。内地の証券会社で働き沖縄に帰ってからはアナリストとして数々の会社の経営に関わって来たそうです。

 

沖縄と内地の会社の違い、ビジネスの進め方の違いを両方経験した著者がウチナーとナイチャーとの付き合い方を分かりやすく解説した本です。

 


沖縄に移住・転勤してくる方には、沖縄社会にしっかりなじむ人もいれば、「だから沖縄の人はダメだ」とプンプン怒って短期間で帰る人もいます。

その違いは何でしょうか。

 

・なぜマーガリンのことをバターと呼んでも平気なのか?

 

・なぜ3時ぐらいという大まかな時間でアポイントを入れるのか。

 

・なぜ名刺の肩書に対する反応が鈍いのか。

 

・なぜ内地の人というと出身地や沖縄に来た理由などこと細かく聞かれるのか。

 

・なぜ昇給・昇格が退職の引き金になるのか。

 

「オキナワ・ルール」を理解せず従来のやりかたのまま、沖縄で仕事や生活をしているためではないか、と私は考えています。(「はじめに」より)

 


私が10数年前に初めて仕事で訪れた時は「沖縄県民は時間にルーズ」そんな偏見がありました。

 

ちゃんと時間通りに集まるのだろうか。スムーズに打ち合わせは進行するのだろうか?

 

しかしそれは全くの杞憂でした。皆さん会議や打ち合わせの5分前には集合していました。

 

仕事を進めていくうえで特に困った事もありませんでしたし、ローカルルールに戸惑うこともありませんでした。

 

もちろんトラブルも発生しましたが福岡で仕事をしている時と同じような類のもので人間なんてどこでも同じだなと思ったものです。

 

しかしながら5年10年と沖縄に仕事で通ううちに言葉に出来ないもどかしさを感じていたのも確かです。

 

それが気候風土のせいなのか、私が時々仕事でやってくるだけの他所者のせいなのか。

 

少しずつ私の中に滓のようにたまって行きました。

 


私が本書の中で一番面白いと思ったのが04「ウチナンチューの恩義と合理思考」です。

 

穏やかで人懐っこいイメージの沖縄県民。しかしその内側には「合理的で冷徹な思考」が宿っているのです。

 

なるほどなと思いました。あの時気づかなかった疑問が氷解しました。今なら理解することが出来ます。

 

詳しくはネタバレになるので語れませんが、この一章だけでも10年前に読めていたらなと思いました。

 

私は沖縄の人も風土も大好きです。色眼鏡なしで見ていたつもりでしたが、やはり偏見(先入観)があったのかもしれません。

 

これからも移住や仕事で沖縄を訪れる人はどんどん増えていくでしょう。そのための沖縄予習本としても最適だと思います。

 

そしてこの本は堅いビジネス本というだけではなく、結構笑える沖縄小ネタも満載ですので是非楽しんで読んでください。ではまた。