カレー屋タケちゃんで寄生獣を読み込む。


カレー好きならここ行ってみればと教えてもらったのがのうれんプラザの斜め前にある「カレー屋タケちゃん」

 

なかなかに年季の入った店構えである。

 

お店の中はこんな感じ。カウンターとテーブル席が三つほど。

 

バターチキンカレーと牛すじのマッシュルームのスパイスカレーを注文。

 

メニューは毎日変わるらしい。

 

 


カウンター席に座るなり気になったのがこれ。漫画「寄生獣」

 

岩明均の作品で確か「モーニング」に連載されていたのではなかったか。

 

大人気の作品なのでご存じの方も多いと思う。カウンターに全巻揃えておいてあるということはここのオーナーもファンなのだろう。

 

私も読んでいるがずいぶん昔のことなので内容はすっかり忘れてしまっていた。

 

後で調べてみると初出は1988年であった。

 

 

物語は人間の脳に寄生して人間を食べる謎の生物「寄生獣」がある日空から降ってきて、寄生された人間を捕食していく事で話は進んでいく。

 

ひょんなことから人間の脳ではなく右手に寄生してしまった寄生獣「ミギー」と主人公「新一」の物語である。

 

結構残虐なシーンも多く、カレー食いながら読むのはどうなんだと思いながらもページをめくる手が止まらん。

 

「ああそうだったそうだった」と思い出しながら読み進めていく。

 

バターチキンカレーと牛すじマッシュルームのスパイスカレー。

 

寄生獣面白すぎ。

 


読み切れなかったのでまんまと翌日もやって来る。

 

 

牛すじマッシュルームとゴーヤーチャンプルーのココナツカレーをあいがけで。

 

ゴーヤーの酸味が爽やか。

 

 


寄生獣とは寄生生物の呼称ではなく、地球環境に害をなす人間を意味することが物語の終盤になって分かってくる。

 

人間対寄生獣の戦いで、最後に人間に追い詰められた寄生獣が地球環境を汚染する人間は万物の霊長などではなく、地球を食い物にする「寄生獣」であると演説し射殺されていく場面などはグッとくるものがある。

 

この作品が単なる「自然を冒涜する愚かな人間に対する警鐘」といった陳腐な作品にならなかったのは人間と寄生獣(パラサイト)、主人公(人間)自らの存在意義を追求することで物語の奥行が広がっていったからだと思う。

 

人間は常に何かに寄生していなければ生きていけない生物である。親子、兄弟、夫婦、友人、ヒモ。それがたとえ薄いつながりの関係であったとしても。

 

「なにかに寄り添い・・・やがて命が終わるまで・・・」  寄生獣 完

 

いやぁ~面白かった。

 

この作品が完結した1995年ころは阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こった年で改めて人とのつながりを考えさせられたことも多かった。

 

今読み返しても傑作である。

 

 

この作者、筆が遅いんだよね。「ヒストリエ」何年掛かってるんだよ。いい加減に連載再開してよ!