私は沖縄で是非見てみたい光景がある。それは牛を散歩させているおじさんである。
ネットの写真で見たことがあるのだが牛を連れたおじさんが車道を歩いていた。
もちろん散歩させている牛は普通の乳牛や肉牛ではなく闘牛用に飼育されている牛である。
闘牛というと多分皆さんはスペインの闘牛を思い浮かべるのではないか。
スペインは牛対人だが、沖縄の闘牛は牛対牛の角を突き合わせてのガチンコ相撲である。
いつか機会があれば見てみたいと思っていた。そして今回のようやくその願いがかなえられることになった。
場所はうるま市石川多目的ドーム。
うるま市公式ホームページより
うるま祭りの一環として行われるため入場料無料である。
通常であれば観戦料が3000~4000円程するらしい。
那覇からは那覇バスターミナルから高速バスで1時間ほど。石川ICバス乗り場で降りて徒歩5分程で石川多目的ドームに到着する。料金は片道1470円。
バスで来て正解。到着したのは11時位だったが早くも駐車場は満車であった。
その後も石川の支庁舎などに設置された駐車場からシャトルバスで続々と詰めかけてきた。
石川多目的ドームは3000人収容できる屋根付き全天候型スタジアムである。
中央に土で作られたまさに土俵がある。
多目的とあるがこれを見ると闘牛以外に何か使い道があるのだろうか。
司会者による闘牛レクチャーやヤグイコンテスト(闘牛の勢子の掛け声)の後、いよいよ闘牛が始まる。
最初の試合は軽量級の「とぅむいタッチュー」対「新風(みーかじ)カキヤー」
800kg台が軽量級、900kg台が中量級、1000kgを越えると重量級と呼ばれるらしい。
軽快な音楽と共に選手?入場である。この辺はプロレスやボクシングの入場と変わらない。
最初に入場したのは「新風(みーかじ)カキヤー」
気持ちはもう出来上がっているようで前足でしきりと砂を蹴り上げている。
その様はまるで力士が土俵で塩をまいているようだ。
続いて「とぅむいタッチュー」入場。
「とぅむいタッチュー」830kg。「新風(みーかじ)カキヤー」880kg。
軽量級とはいえ50kgの差があると、体格が一回り違う気がする。
立ち合いの呼吸が合わないのか、二頭とも様子見しながらにらみ合っている。
まるで大相撲のようだなと思っていると、いきなり始まった。角が当たるガチッという音がここまで聞こえてくる。
取り組みは序盤から小柄な「とぅむいタッチュー」が小刻みに張り手(この場合は頭突きか)をかましていく。3分程同じような張り手合戦が展開されたがついにたまらなくなった「新風(みーかじ)カキヤー」が後ろを向いて逃げ出した。
勝負は後ろを向いて逃げたら負けなんだそうである。
勝ち名乗りをあげる「とぅむいタッチュー」
館内やんやの喝さい。牛も自分に向けられた歓声が分かっているのだろう誇らしげである。
場内を一周して花道に引き上げていく。
バスで来てホントに大正解。
今日は七番取り組みがあった。
その中で一番面白かった取り組みが「それいけ大魔神」対「べるじゃん」戦である。
「それいけ大魔神」の牛主(馬主みたいな感じ?)は女性であった。手綱を引いて颯爽登場。
「それいけ大魔神」対「べるじゃん」戦。
「べるじゃん」が入場したと思ったらもう突きあっている。メンチ切ったらすぐ手が出るヤンキーみたいである。
この「べるじゃん」がなかなか曲者なのだ。技巧派というのか。最初に正面から一撃をかました後、右に右に回り込みながら角を突き上げていく。まるで懐に入り込んでまわしを取りに行く舞の海ではないか。
しかし「それいけ大魔神」もどっしり構えて慌てることなくついて行く。
そして「それいけ大魔神」が下から角を振り上げた瞬間、舞の海、じゃなかった「べるじゃん」の顎が上がり半身になったところを一気につき押され勝負あったのである。
これなんかまるで技は繰り出すが結局最後はパワーで押し出される舞の海を見ているようだ。
イヤー熱戦であった。会場も沸いている。
他にもはなっからやる気の感じられない牛や立ち合いの時点で逃げ出す牛とか(尻尾をまいて逃げるという意味がよく分かった)いてとても面白かった。
そして何よりも牛を育てている方々の熱意が伝わってくる。みんな牛を闘牛を愛しているんだね。
皆さんも機会があればぜひ一度観戦してもらいたい。
それでは最後に闘牛クイズ。
第一問
第二問
第三問
第四問
正解は
第一問
第二問
第三問
第四問
何問正解できたかな? ではまた。