今日は北海道、ひいては日本の産業を支えた美唄にある炭鉱遺構を訪ねてみたい。
高速の美唄ICから道道135号線を我路方面に入っていく。
結構山の中である。
現在は炭鉱メモリアル森林公園として整備されている。
三菱美唄炭鉱の跡地で竪杭櫓、鉄道の駅舎跡などがある。
美唄炭鉱は昭和初期には年間約100万トンの石炭を産出する大炭鉱であったがエネルギー政策の転換により昭和47年に閉山することとなった。
駐車場から見ると遺構はきちんと保存されているように見える。
廃墟感満点である。
うわっ誰かいる。
と思ったら何かの彫刻だった。
「着流しで頭を角刈りにした、あごの長いおじさんが腕組みしている像」と名付けた。
この時は私一人しかいなかったので何か不気味なんだよね。
熊出没注意の看板もあるし。
高さ約20mの竪抗巻揚櫓が2基残されている。
ここにも誰か(何か)いる。
ダースベーダー?
これどう見たってダースベーダーの後ろ姿だろう!
何でダースベーダーがこんなところに居るんだろうと思って、横に回り込んだらただの訳わからん穴の開いた彫刻だった。意表。
廃屋の中にも彫刻らしきものが鎮座している。お供えされたぼた餅か。
これも意味が分からん。
私は常々思っているのだが日本の観光地や景勝地には訳の分からん彫刻が多すぎる、その土地に関係のあるものならまだよいが、大抵は裸婦像であったり意味不明の球体である。
許可したのは行政であろうから今さら行政のセンスのなさを嘆いてもしょうがないが、全く不要なものである。
色々な観光地で見かける「ベンチに座ってサックスを吹いている黒人のミュージシャン像」があるがあれ誰なんだ。
そんな事を思っていると、大型バスがやってきて中学生の一団がどやどやとやってきた。
社会科見学なのだろう。
地域の歴史をしっかり勉強してくださいね。そして「おかしなモノはおかしい」と言える立派な大人になってください。
閉鎖から50年以上たっているとは思えないほど美しい。
石炭を掘る事だけを考えて無駄なものは一切削ぎ落した無骨なまでの機能美。
彫刻なんか置かなくったってこれだけで十分美しいじゃないか。
今日はこれから札幌へ向かう。
ちょうど同じ時期に北海道旅行をしている高校時代の友人とススキノで待ち合わせをしている。
道の駅「ハウスヤルビ奈井江」
日本一長い直線道路のちょうど中間点にあるらしい。
そういえばナビの道路のラインがさっきからずっと真っすぐだなとは思っていた。
なるほど真っすぐな道である。
道の駅「三笠」
もうすぐ札幌だ。天気も少し回復してきた。
ススキノで友人と落ち合う。
取り敢えずどこかに入ろうという事になる。
友人が「みよしの」という店に行きたいというので行ってみる。
北海道にしかないチェーン店らしい。
秘密のケンミンショー的に言うならば道民熱愛の店なんだとか。
餃子が美味しいらしい。
先ずはビールで乾杯。ビールが美味い。
餃子も注文した。
友人とお互いの近況などを報告する。
パリッと焼けた餃子も美味かったのだが、ここの女性のスタッフさんがずっとため息をついているのである。
入店してから注文をした時も「はぁーー」ビールを持ってきた時も「はぁぁー」
餃子を持ってきてくれた時も「はぁぁぁー」
奥で仕事をしている時もうつむいてずっとため息をついている。
客にでも怒られたのか、家で余程嫌な事があったのか。
小柄な女性であったがあの小さな体からよくあんなに大きなため息が出るものである。
負のオーラは伝染するものでこちらも何となく気勢が上がらない。
入店して15分位しかたってないが「じゃあそろそろ次の店行こうか」ということになり、退店した。
ため息ばっかりついてると幸せが逃げちゃうよ。
夜のススキノは観光客だらけであった。
北海道の短い夏が始まる。みんな心なしか浮き浮きしているように見える。
次の店は大衆海鮮居酒屋といった店に飛び込みで入った。飲みなおしである。
なかなかの盛況であった。
高校時代の友人と飲むときは最後は決まって同じ話に行きつく。毎度、同じ話で笑っている。
同じ時代を過ごした友人同士だけが分かりあえる時間だ。
多分来年も同じ話をして笑っているのであろう。
札幌の夜の〆はラーメンで。
どうにも福岡県民は飲んだ後はラーメンで〆ねば収まらないのである。
味噌ラーメンが食べたいというので、以前行ったことのある店に入ってみる。
友人は鉄道ファンで明日は函館に移動して路面電車や道南いさりび鉄道に乗りまくるんだそうである。
電車を乗り継いで稚内まで行くらしい。
うらやましいぞ!
電車旅を組み合わせた北海道旅行も楽しそうだ、次回は私も企画しよう。
彼とはここで別れた。道中ご安全に。また福岡で飲もう。
今日は旧北海道庁舎の近くの旅館に宿を取っている。
畳の上、布団で寝られるのが嬉しい。風呂に入って10時には爆睡。
本日の走行距離103km