朝、蝉の声で目が覚めた。こいつら一晩中鳴いていたのではないか。
さっそく朝風呂に入った。
実に気持ちの良い湯であった。
よく「昭和レトロ」とか「時が止まってしまったような」なんて言われるが、実際この温泉宿は昭和で時間が止まっている。
ここだけすっぽりとドームで覆われて外界と隔絶された異世界のようだ。
部屋のしつらえもお風呂もすべてが昭和のままだ。
携帯は圏外でテレビはBSのみ。
ここは冬は営業しているのかと聞くと、「もちろん営業しているよ」とのこと。
冬の方がお客さんは多いそうだ。この湯には冬にこそ入ってみたい気がするが冬にこの山道を車で来る自信はない。
そんな話をすると、周りに農地があり出荷の兼ね合いもあるので、除雪はきちんとしてくれるらしい。
「どっちにしても凍っているから滑るけどね、あはは」と笑っていた。
オーナーさんだか管理人だか分からないが不思議なおじちゃんのいる不思議な温泉だった。
朝九時瀬戸瀬温泉を出発。
今日はとにかくどこまでいけるか分からないがひたすら北上する。
瀬戸瀬温泉に入ったせいで体の疲れがすっかり取れてしまった。ベテランのキャンパーさんが絶賛するだけのことはある。
今日はまず昨日行ったサロマ湖の反対側の舌先に行ってみようと思う。
竜宮大展望台というのがあったので登ってみた。
地図上ではもう少し先まであるが残念ながらここで行き止まりのようだ。
左手にオホーツク海。
遠軽町を抜け湧別・紋別方面へ。
まっすぐな道が延々続いている。
牧草ロールが転がっている。
これなんかは北海道らしい光景。
道の駅「おこっぺ」で休憩。
何となく行ってみたい町名、興部(おこっぺ)。
アイヌ語で「オウコッペ」(川尻・お互いにくっつく・もの)に字を当てたものが町の由来とされる。
町の西部を流れる興部川と藻興部川が合流して海に注いでいた。
ソフトクリーム食べて美味しかったので牛乳も買ってしまった。ホントに乳製品が美味い。
やばいね。一日一個ソフトクリーム食ってるわ。
オホーツクラインを北上。
宗谷岬まで後60km。体調はすこぶる快調である。
きょうはこのまま一気に宗谷岬を目指すことにした。
右手にオホーツク海。
こんな道がもう何十キロも続いている。最初は感動していたがそろそろ飽きる。
なんか岬らしきものが見えてきた。
あれが宗谷岬だろうか。
宗谷の市街地に入ってきた。
普通の住宅街で学校なんかもある。ここか?
ここか?と思ったら、ここだった。とりあえず記念写真。
くまのみさん日本最北端に立つ。
令和6年6月29日15時10分、北緯45度31分22秒日本最北端宗谷岬に到達。
福岡を出発してから17日目、ついに到達しましたね。
さすがにサハリンは見えないか。
やたら最北端推し
しかし思い描いていたイメージと違う。
テレビなんかでよく見る日本最北端のモニュメントがあるからここなのだろうが、私はこのモニュメントは断崖絶壁の岬の上のあるのだろうと勝手に想像していた。
こんな街中の広っぱにあるとは思わなかった。意表。
やはり自分の目で確かめないと分からんもんだね。
周りにはお土産屋さんややたらと最北端を強調したご飯屋さんが軒を連ねている。
なんか最果て感がしないなあ(観光客の勝手な言い分です、すいません)
今回の旅行の大きな目的の一つは宗谷岬を訪れることであった。ついにそれを叶えることが出来た。
考えてみれば沖縄本島最北端、辺戸岬も私は訪れている。
福岡県民で辺戸岬と宗谷岬を車で二つとも訪れた県民はいないのではないか。
そう思うと鼻の穴が膨らんでくる。誠に感無量である。
近くのガソリンスタンドで給油したらこんなもの貰った。ベタな土産より嬉しい。
こんなところにもやはり熊出没。
6月28日って昨日ではないか。
本日は道の駅「わっかない」で車中泊。
ここは稚内駅の敷地に道の駅が併設されている。
稚内駅は日本国内の鉄道駅としては最北に位置する。
平成24年に新駅舎と一体の複合施設「キタカラ」がオープンした。
まだまだ新しくてきれいな施設である。
近所のスーパー銭湯で汗を流したらさすがにどっと疲れが出た。
今日はこれにて終了。
本日の走行距離296km。