先日、辺戸岬までカレーを食べに行ったのだが、その帰り、道を間違えてしまい58号線ではなく反対の70号線に出てしまった。
行けども行けども山の中でこんな道通ってきたかな~と思いながら車を走らせていた。
さすがに道を間違えたと気づいたが、Uターンできる場所もない。仕方がないのでそのまま車を走らせていたら、いきなり空が開けた。
川端康成の「雪国」の一節「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」ではないが
鬱蒼とした木々の間を抜けてきたせいでまるでトンネルを抜け出したような錯覚に陥った。
しばらく進むと開けた場所に出た。共同店があったのでそこに寄っていくことにした。
福岡県民の為に解説すると共同店とは集落の住民が共同で出資・運営する商店であり沖縄本島北部、離島などに今も残っている。
運営の形態は集落によって様々であるが食料品、日用品、農業用資材の仕入れ販売の他にガソリンスタンドを併設したり、農産物の共同出荷なども行われている。
コンビニと農協と集会所を合わせたような施設かな。
地域コニュニティーの中核であり、高齢の住民には商品を届けたり、店に現れないと店員が様子を見に行ったりするそうだ。
共同店の利益は内部留保されるほか、住民に配当されたり、集落の行事に使われる
国頭村奥共同店。
「奥」という集落のようだ。
「奥・・・」そのまんまやんけ。
こちらのお店は1906年の創業。共同店発祥の場所だそうだ。
店内は普通の共同店で食料品から生活必需品等なんやかんや置かれている。
お土産コーナーもある。クバの葉で作られた籠なんかが売られている。
そして目についたのがこれ。
お茶の葉が店頭にドンと置いてある。
「奥みどり新茶」メイドイン奥産とある。
お店の方に聞いてみるとなんとこの地域で取れたお茶だそうだ。
珍しいので買って帰った。
帰って色々調べてみたら、国頭村の奥と言えば茶の生産で全国的に有名だそうである。「日本一早い新茶」として人気を誇っているそうだ。知らんかった。
沖縄でお茶を作っているイメージはなかった。
奥みどり新茶。
奥茶業組合。
袋を開けてみると良い香りがただよう。
80年以上の歴史があり3月末から8月頃までがシーズン。
冷たくして飲んでも美味しいとお店の方に聞いたので水出しで飲んでみた。
玉露に近いような甘みのある上品な味わいだった。
今お茶を飲みながら思い出しているのだが、共同店を出た後しばらく集落を走ってみたのだが人っ子一人で出会わなかった。
沖縄本島北部、やんばるの奥の奥。
今でこそ道路が整備されているが昔は行き来するのも大変な場所だったのだろうな。
日本昔話の世界に迷い込んだような気がする。
なんだか不思議な体験をした一日だった。
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2024.04.18
沖縄小ネタ集
おきみゅ―でキングダム展。
俺は天下の大将軍になる。