沖縄滞在中はよくお世話になっているむつみ橋商店街にあるお菓子屋さん。
ここの黒糖ぽーぽーが好きでよく買って帰る。
ぽーぽーというのは沖縄のクレープのようなもの。
他にもサーターアンダギーやら「のまんじゅう」、沖縄の独特のお菓子があって見るだけでも楽しい。
こちらは月桃の葉で包まれたムーチーというお菓子。
ムーチー(餅、鬼餅)は、沖縄の行事、およびそこで食される菓子の一種。「餅」の一種を意味する沖縄方言である。
カーサ(食物を包む葉、この場合は月桃で巻くことから「カーサムーチー」と呼ばれることもある。)
餅粉をこね、白糖や黒糖、紅芋などで味付けを行い、月桃の葉で巻き、蒸して作る。
旧暦の12月8日に、健康・長寿の祈願のため縁起物として食される。
旧正月に食べる、いわゆる縁起物のお菓子なのだが年中売っているし、夕方に来てみると大体売り切れている。
それなりの需要はあるようだ。
以前どんなものかと試しに買ったことがあるのだがこれがまたなんとも。
月桃の葉っぱを開いてみるとこんな感じ。
葉っぱにベッタリと餅がへばりついておりはがすのに難儀した。
手がベタベタになってしまった。
結局、最後はフォークでこそぎ取った。
味は薄―い黒糖味である。月桃の良い香りがするが正直美味いとは思わなかった。
みんなどうやって食ってるんだろうか。
お店の店員さんにどうにかならんもんかと尋ねたら「そういうもんですから」と言われた。
そういうもんならしょうがない。
何とか美味しく食べる方法はないものかとあれこれ思案してみる。
ムーチー自体は薄味である。ならばこの薄味を活かして他の食材と一緒に食べてみてはどうだろうか。
それで用意したのがこちら。
先ずは「きな粉」
ムーチーはモチなのだから「わらび餅」風に食べてみただろうか。
次はココアパウダーをかけてみる。
ちょっと洋風に。
最後にぜんざい。北海道産小豆使用。
餅だからね。
これが一番美味いのではなかろうか。小豆と餅のコンビは最強だろう。
先ずはわらび餅風に小さく一口大に切ってみた。
これがなかなか大仕事で包丁にまとわりついてきれいに切れない。
ぐちゃぐちゃになってしまったが、きな粉をかけて何とかごまかす。
あまり期待していなかったのだがこれが美味かった。
わらび餅と言っても分からないのではないか。
ほんのり甘いきな粉に月桃が香り、上品な和菓子の如き。
次にココアパウダーをかけてみる。
見た目は何ともおぞましいものになった。
どうにもこうにもココアパウダーの苦みと月桃の香りが付いた餅が喧嘩しまくって、これは失敗。
最後にぜんざい。
これは期待できる。
一口食べてみたのだが、やはり月桃の香りが強すぎて小豆の甘さを殺している。
余程砂糖を入れて甘いぜんざいにすればよいのかもしれないがムーチーと小豆がお互いに負のオーラを出し合って一つの料理としてまとまりそうにない。
意外であった。
というわけで今回の優勝は「きな粉」
他の二つが月桃の葉の香りが強すぎて相いれない料理になったが、きな粉をかけたムーチーはきな粉のほんのりとした甘さの後にさわやかな月桃の香りが口中に広がる。さらにきな粉にコーティングされ餅もベタベタせず食べることが出来る、
黒蜜を書ければさらにおいしいかも。
「わらび餅風ムーチー」
是非皆さんもお試しください。
「鬼餅」の由来は沖縄の伝説による。昔々、首里から大里に移り住んだ男が夜な夜な鬼になって人畜を襲った。
その男の妹が憂いて、鉄釘入りのムーチー(鉄の塊とする説もある)を兄に食べさせ、弱ったところを海に蹴り落として殺したというものである。
この物語では、ムーチーを蒸すときの月桃のカーサーの香りが浄めの役目を果たす。鬼退治にムーチーが使われたことから「鬼餅」と呼ばれることとなったのだとか。
上記の由来から、ムーチーを蒸したとき蒸し汁は家の回りにまき、ムーチーを包んだ月桃は十字形に結んで人の出入りする入口や軒先に吊るし、厄除けをする風習が残るそうだ。
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2024.03.17
沖縄メシ
イナムドゥチをイマジンしようぜ。