沖縄は週明けにも梅雨明け宣言とかで、明けたら明けたでまた熱くなるなと思いながら、さて取り敢えず仕事も片付いたし、久しぶりに飲みに出るかと、なじみの居酒屋に予約の電話を入れると、今日は団体さんの予約で満席との事。
ならばぷらぷら歩きながら適当な店を探すかと街に繰りだした。
とにかく蒸し暑い。少し歩いただけでも汗が噴き出してくる。
新しい店でも開拓するかと、久茂地の辺を歩いていた。
うん? ホルモン焼きなんてのがある、そそられたが中を覗いてみると早くも満席。
みんな出足が速いね。
そうだ久しぶりに燕郷房にでも行ってみるとするか。最近行ってなかったし。
店の開店は5時半なので、少し間があるが店の前で待っていた。
やがて開店時間になり、扉があき「いらっしゃいませ!」と元気な声が響いた。
たじろいだのである。
何故たじろいだかというと、元気いっぱい扉を開けた女の子がメチャ可愛かったのである。
おそらくバイトの子であろうが国仲涼子を少しシーサー寄りにした、いかにも沖縄の女の子という感じであった。
「ご予約ですか?」と聞かれたので、「いえ違います」と答えた。
上から下まで私の恰好をちらっと見た後、少々お待ちくださいと言って中に引っ込んだ。
この日の私の恰好はよれよれのTシャツにジャージ、そしてすり切れた島ゾである。
マスクをする習慣がついてしまっているので、ひげも剃らずにぼさぼさであった。
あの女の子にはどう見えたであろうか。酒を飲みたいがため開店を待ちきれず店の前で一人待つオッサン。
今さらオッサンが色気づくわけではないが、やはり人様の前に出るからにはもう少しきちんとした格好をすべきで
あった。
やがて戻ってきた女の子が「どうぞ」といって中に案内してくれた。
席はいつものお一人様カウンター席である。
燕郷房は家族連れや仕事関係などが多いが、ちゃんとお一人様の席を用意してくれているのがありがたい。
取り敢えず生ビールを注文する。蒸し暑くて鬱陶しいが、ビールは美味くなる。
何事もマイナス面ばかりではない。
こんな夜は飲まんでどうするか。
まあこんな夜も、あんな夜もいつも飲んでいるのでこれは言い訳というか景気付にすぎぬが。
つまみをどれにするか考えていたら生ビールが運ばれてきた。
思わずのどがゴクリと鳴ってしまった。アル中か!
美味そうな前菜が並んでいる。
このお店はお一人様向けのハーフサイズがあるのが嬉しい。
取り敢えず、
クラゲときゅうりのニンニク醤油和え。
特製たれに漬け込みじっくり焼き上げたチャーシュー。
四川麻婆ソースよだれ鳥。
を注文。
我ながら良いラインナップではないか。
前菜が来る前にちょっくらトイレに。
鏡の前には無精ひげのオッサンの顔がある。
髪をツンツンとあげて少し口角をあげて微笑んでみるが、やっぱりそこにはしょぼいオッサンが映っているだけだ
った。
席に戻ってみると隣に30前後の女性が座ってメニューを眺めていた。
ちらりと目が会い、マスクごしにこちらに微笑んだような気がした。
おおーー。この夜、何か新しい物語が始まるのか! 新たな人生の1ページが始ま・・・・・。
と思ったらメニューに視線を戻し店員を呼んだ。
それっきり視線が合うことは無かった。そりゃそうか。
こちらが前菜3種。
「海くらげ頭」と書いてあると思うのだが。
しこしこクラゲの頭とキュウリのニンニク醤油和え、他にはない味わい。
蜜汁叉焼
特製のタレに長時間漬け込みました。じっくり焼きチャーシュー横浜の味。
四川口水鶏
よだれ(口水)が出るほどおいしいオリジナル四川麻婆ソースよだれ鶏。
この四川よだれ鶏がメチャメチャ辛かったったのである。
よく考えてみたらここ、四川料理のお店だもんね。
辛い物苦手な人間には結構こたえる。
これだけでビールもう一杯飲んでしまった。
知り合いに「辛い物を食べられない人はかわいそうだ。人生の楽しみの半分を損してるよね~」
などとほざく奴がいるが、そんな奴は鼻の穴から尻の穴から唐辛子を突っ込まれて死んでしまえばよい。
続いては蝦ワンタン。
これにはハイボールを。
みっちり蝦の身が詰まったワンタンが最高です。
〆をどうするか。
やはりここは麺かなと、メニューを見てみる。
海鮮五目あんかけ焼きそば(カタ揚げ)一番人気とある。
よし今夜の〆はこれに決めた。
こちらが海鮮五目あんかけ焼きそば。
もう一杯ハイボール頼んじゃった。
太麵をパリパリに焼き上げてある。
蝦にチンゲン菜、白菜、シイタケ、豚肉、あとはなんだろ。
麺がパリパリで香ばしいがもう少し麺が細い方が、わたし的には好きかな。
今日もお腹一杯である。
勘定を払って店を出た。扉を開けた瞬間、冷房の効いた室内から外へ出たのでメガネが一瞬で真っ白になった。
女の子がちょっと笑ってくれた。ナイス、那覇の湿気。
いい夜だ。
ちゃんと生きていこうと思う。服装も人前に出る時はキチンとしようと思う。
何故かそんなことを考えた。
でもまあ、明日は土曜日だから来週からちゃんとしようと思う。多分。
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2023.06.19
沖縄小ネタ集
沖縄土産にこんなんどうでしょう。
那覇空港限定、沖縄そば味せんべい。
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